十犬十色

犬服のオーダーメイド専門店《わんわんテーラー》です。

皆さんの飼われているワンちゃんの性格は『らしい』ですか?

例えばトイプードルは一般的に、明るく活発で温厚。友好的で賢いと言われています。

柴犬は勇敢で、飼い主さんに忠実、独立心が強いと言われています。

筆者も、いろんな種類のワンちゃんを見て

『あぁ、やっぱり○○の血ね!』なんて会話をしたことがあるな~と思っていました。

ところが、あるアメリカの研究者がこの4月に科学学術紙『サイエンス』に発表した論文をみてびっくりしました。

1万匹以上の犬の飼い主が答えたアンケートと、2000匹以上の犬のゲノム(全遺伝情報)を包括的に解析したデータを統計処理するとワンちゃんの性格や行動に犬種はあまり関係がないことがわかったのです。

闘うために生み出されたピットブルというワンちゃん。

闘犬で必要とされる攻撃性と闘争心があるため、ヨーロッパでは危険犬種とされ法規制もかけられています。

でも研究によると、実際に飼われて人間と過ごしているピットブルはおだやかな関係を築く社交性を持っているとの結果がでていました。

え!?危険犬種なんじゃないの?ってかんじですが、一概にはそうとは言えないようです。

一方で性格や行動は遺伝する傾向が強いとも発表されています。

犬種によっては、全体としてほかの犬種より多く出やすい性格や行動というものはあるけれど、その出現確率は平均9%と低く、同じ犬種の中でも、個体によってばらばらなのが実際のところのようです。

例えるならば、猟犬として水辺で鳥を回収するレトリバーは、行動としては鳥をくわえて帰ってきます。

しかし、あるレトリバーは『獲物はここに落ちているワン。』と吠えて獲物の場所を知らせ即回収するわけではないようです。

ブリーディングでは人の考える『良い』と思われる素質を残したり改良して遺伝子を繋いでいきます。

顔や身体のスタイルだって人の考える『良い』ものという基準があり、それに近づけます。

そう考えると遺伝子に乗っかっている性格やそれに関わる行動も集約されていくのは自然なことですよね。

ただ、その遺伝子が発現するか否かによって唯一無二のワンちゃんがいるのですね。

皆さまのワンちゃんの個性をたくさん愛してあげてください。