犬服のオーダーメイド専門店《わんわんテーラー》です。

トイプードルやコーギーのしっぽは実は生まれた時は長いことをご存じでしょうか。
これらの犬種をはじめとして、ヨークシャテリアやシュナウザー、ドーベルマンなどでも、生まれて間もない頃にしっぽを切り落とす「断尾」が行われています。
この「断尾」が行われている理由には以下があります。
①1700年代のヨーロッパでは、断尾することによって狂犬病が予防できると考えられていました。
また、 猟犬は獲物を追う際に、藪の中などでしっぽに傷を作る場合があり、感染症にかかるリスクがありました。
牧羊犬では、羊にしっぽを踏みつけられるリスクがありました。
そのためけが防止のために断尾することが慣習化されていました。
② イギリスのジョージ王朝時代(1714~1830)では、しっぽのついた愛玩犬に対して課税がされていました。
断尾を行っていた狩猟犬や牧羊犬には課税されなかったため、たくさんの種類の犬がこれにならい断尾をしていました。
後にこの税は廃止されましたが、断尾の慣習だけは残り続けました。
③ワンちゃんの種類ごとに、一般的に犬種標準(スタンダード)と呼ばれる、その犬の理想的な姿を規定した基準があります。
この理想は人間が決めたものですが、犬の姿をこのスタンダードに合致させるために断尾しています。
断尾には2つの方法があります。
外科的切断
メスやハサミなどの手術器具を用い、外科的にしっぽを切り落とします。
一般的に生後3~4日の子犬に対して行われますが無麻酔で行われます。
壊死を促す切断
強い輪ゴムを尻尾につけて、血流を止め壊死させて断尾を行います。
輪ゴムを付けて約3日後に自然としっぽが落ちます。
断尾に関しては、生まれてすぐのため痛覚が未発達で痛みを感じていないという人もいれば、十分痛みを感じているという人もいます。
実際のところはどうなのかは意見が分かれていますが、ヨーロッパでは断尾を禁止している国があるのも事実です。
考え方はそれぞれですが、しっぽの短いワンちゃんは生まれつき短いのではなく、実はブリーダーさんや獣医師が犬種標準に合わせるためにカットしているのかもしれないという事を知ることも大切です。