僕たちクローン

犬服のオーダーメイド専門店《わんわんテーラー》です。

人間より寿命が短いので仕方がないのですが、ずっと側にいてくれたペットとの死別は辛く、悲しいものです。

飼いはじめる時に分かってはいても、ペットロスで苦しい思いをされている方も多くいらっしゃいます。

みなさんはペットのクローンを作るビジネスがあることを知っていますか?

お隣の国、韓国では2005年にクローン犬が誕生して以降、2008年には本格的にビジネスとして展開されています。

価格は、1,000万円(一匹あたり)と高額にもかかわらず、世界中から亡くなってしまった犬や猫のクローンを作ってほしいという依頼が殺到しているそうです。

もちろん韓国だけでなく、アメリカや中国にも同様のビジネスを展開している会社があります。

そもそもクローン技術とは全く同じ遺伝子配列を持つ生物を人為的に作りだす技術です。

試験管をカチャカチャ振れば、簡単にクローン犬が出来上がるわけではありません。

クローンを作りたい元の犬の細胞(ドナー細胞)を培養します。

一方でメスの犬の卵巣から未受精の卵子を取り出します。

この未受精卵子からメス犬の遺伝子が含まれている部分を取り除きます。

取り除いた部分に培養したドナー細胞を挿入し電気刺激で融合させクローンの元を作ります。

クローンの元を培養し、代理母犬の子宮に移植します。

その後、代理母犬の妊娠と出産があり、クローン犬が誕生します。

代理母犬の流産率は70%とも言われており、複数の代理母犬を準備するのが一般的です。

未受精卵子を取り出すにしても、代理母犬の妊娠継続にしても、ホルモン剤の注射が必要です。

命を落とすこともある出産のリスクもあります。

クローン犬を誕生させる上で、自ら望んでいないワンちゃん達にこれらを強いています。

全く同じ遺伝子のクローン犬だとしても、全く同じ犬になるわけではありません。

記憶は引き継がれませんし、生育環境や経験の結果、形成されていく性格などは異なります。

亡くなったワンちゃんが蘇ったわけではないことを忘れてはいけません。

そのクローン犬にも意思があり、感情があり、一匹の「生き物」なのです。

今の日本では、倫理的な観点からペットのクローンを作るという事には疑問符がついています。

1996年にイギリスで初めてクローン動物として羊のドリーが誕生したときに、悪魔の科学技術と言われ世間を賑わしました。

それから25年以上が過ぎましたが、人工生命は神の領域を侵すものであるとして、認められないという批判が未だに根強いのも事実です。

各国には人のクローンの作成について禁止する規制がありますが、動物のクローンに関しては規制がありません。

海外と比べ日本ではハードルは高いものの、将来的には、ペットのクローンがビジネスとして展開されるようになるかもしれません。

皆様はペットのクローンについてどのように考えますか?