犬服のオーダーメイド専門店《わんわんテーラー》です。

先日、高知県のあるペットショップに行ったら子犬や子猫が一匹も売られていませんでした。
後日、ローカルニュースでその企業さんの取り組みを見ました。
生体販売をやめ展示スペースは保護犬・保護猫の譲渡スペースとして活用します。とのこと。
その時までお気楽に考えていたのですが、生体販売には問題があることに初めて気付かされました。
ペットショップの生体はお世辞にも安いものではありません。
値段を見て驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この価格、どのように決まっているかというと、ブリーダーからの仕入れ価に、ペットショップに展示しておく間の経費(人件費、光熱費など)を足したものを原価として企業の利益を加えて販売価を設定しています。
コロナの影響でペットを飼う人が増えたことで生体が品薄になり、ぺットショップへの仕入れ価が上がりました。
2019年の改正動物愛護法で生体の取り扱いに、より、コストがかかるようになりました。
更には、ウクライナ情勢で光熱費が上がり、これも経費が膨らむ一因となっています。
このように販売されているワンちゃんや猫ちゃんですが、いつまでも小さく可愛いわけではありません。
次第に大きくなり、値段を下げながら販売されていきます。
それでも、犬で全体の4%、猫で7%の割合で売れ残ると言われています。
売れ残った一部は、一般の人に無償で譲渡されたりします。
まだ生後半年くらいであれば、移動販売業者に譲渡販売され、ホームセンターやイベント会場などで移動販売される子もいます。
ペットショップや、先述の移動販売でも売れ残った子はブリーディング用として生産業者に譲渡販売されます。
他には、実験動物として譲渡販売されたり、引き取り屋と呼ばれる業者に引き取られ余生を過ごすこととなります。
一部には悪質な業者もいて、あまりに劣悪な環境から保護団体にレスキューされたニュースも幾度となく聞いたことがあります。
可愛い子犬や子猫が販売され続けている裏側にはこういった見るに辛い現実もあります。
一方で、日本中で里親を待っている保護犬や保護猫がたくさんいます。
殺処分をゼロにすることは良い取り組みです。
しかし、ペットには保護犬や保護猫をお迎えしたらいいじゃないとは簡単に言えません。
今店頭に並んでいるペットショップのワンちゃん、猫ちゃんを買わなければ、その子達にだって悲しい未来が待っているのです。
簡単に答えはでませんし、個人でどうにかできるほど単純な問題ではありません。
動物愛護法が改正され、少しずつ動物取引の環境は改善されているようにも思います。
しかし、まだまだ国を挙げて取り組まなくては状況は好転しません。
そのために現在のペットビジネスについて一人一人が「知る」ことはとても大切なことだと考えます。